Windage_Adjustment

はじめに

 横風を修正しての射撃は・・・あまり得意とするところではありません。正対するよう風下に回ったり、それが無理なときはできる限りの接近を試みます。しかしながら、地形の制約やターゲットから視認される可能性などを考えると、横風がうまく修正できるようになった方がいいなぁとは、よく思います。

 また、横風で多く射撃している方は、感覚で修正ができるようになっていくのかもしれませんが、それほど狩猟での射撃回数が増やせない場合は、感覚で覚えるというよりも、理論を交えながら射撃をして反省をしていった方が覚えられるんじゃないかなぁとも、よく思います。

 ということで、こうすればうまくいくというよりも、私はこんなこと考えて勉強していますという感じで捉えて頂き、ご参考にして頂ければと思います。

弾道計算ソフト

 個人的には弾道計算は、Strelokというソフトを使っています。HawkeのChairgun Proとの一番の違いは、ちょっとした裏技で、ゼロインのときの風と猟を行っているときの風を分けることができると言うことです。

 Hawkeでは、ゼロインは50mとして、距離100m、横風3m/s時の修正量を計算使用とすると、ゼロインにも3m/sの横風が適用されてしまいます。つまり、射場で3m/sの風が吹いているときに50mでゼロインしたエアライフルで100mを狙おうという場合には使えるとのですが、射場で無風時にゼロインしたエアライフルを使って、風があるときに射撃する際の修正量を求めるということが・・・できないのです(できる場合は、教えてください)。

 これは、横風にそれほど影響を受けない距離でゼロインしている銃の場合、たとえばライフルで50mでゼロインして500m撃つ場合はそれほど問題になりませんが、エアライフルの場合ゼロインが風の影響を受けてしまいますので、使いずらいものになります。

横風の影響は・・・?

 よく射撃する距離、横風として、100mと3m/sを想定しましょう。私の地域では、私がハンティングに行くときは、2~3m/sの風が多いです。もちろん無風もあります。これはラッキーです。そして3m/s以上吹いているときもあります。ただ、強風のときはそのまま射撃するというよりいつもより接近を試みて射撃することになります。よって、風によってポジショニングを変えるのではなく、風を考慮して射撃するときの風として3m/sを想定することにしました。

 このとき、Strelokで計算される、横風によりペレットが流れる距離は100mで26.7cm流れることになりますので、カモですと完全にレチクルは風上側にないとカモに当たることはありませんね。

簡易計算法

 Strelockにターゲットまでの距離と横風を入れてその場で計算してもいいのですが、レーザレンジファインダーに、携帯使って、エアライフルを使うというのはなかなか重装備になります。そこで、携帯分だけでもなくそうとするのが、簡易計算法です。

 もちろん、緊迫した状況で暗算が必要になりますので、かなりの頭の体操にもなると思います。

 結論から申し上げますと、以下のような計算式を使います。
 
 修正量[mil] = 距離[m]/100 × 横風[m/s] ×0.9

 注:これは、JSB King 25.4gr(25口径)、マズルで950ft/s時の場合です。

 一番簡単なのは、ターゲットが100[m]で横風1[m/s]のときですね。このとき1×1×0.9で、0.9milが修正量となります。

検証

 では、Strelockの計算結果や、簡易計算法と比較してどれぐらいの差がでるのか、見てみましょう。

ballistic/windage_drift.jpg

 

 横風3m/sに弾が流される量は左図になります。50mでも7cmずれるので、ちゃんと修正しないとカモならバイタルゾーンには当たらなくなってきます。距離で見ると、二時曲線的にずれ量が大きくなってくるので、ずれ量はなかなか暗算では使用しづらいですね。


ballistic/windage_adjustment.jpg

 

 今度は、横風修正量をMILの単位で見るとともに、簡易計算方と比較しすると、左図になります。MIL修正量の場合、距離に比例してほぼ直線になっており、また150mぐらいまでは簡易計算方でもほぼ合っているといえるのが分かります。

ballistic/windage_delta.jpg

 

 では、Strelockと簡易計算方による誤差を出してみましょう。ターゲットに当たるかどうかは、ターゲットでのずれのため、ずれ量[cm]に直して表示しています。150mまでは1[cm]の中に入っています。さすがに200mとなると誤差が出てきますが、私は遠くても130mぐらいのイメージで射撃していますので、これで十分あっているということができると思います。


実際に猟場で使う簡易計算のもう少し簡易版

 距離がメートル単位で3桁になり最後に0.9かけるとなると、なかなか実猟での使用が難しいところがあります。ということで、ほぼ合っていることが分かった簡易計算法を、実際の猟場ではもう少し簡単にして使用しています。簡易計算をするために電卓としてスマホを取り出していたのでは・・・簡易計算をすること自身が無意味になります。

 私は、まずは最後の0.9のかけ算を行う代わりに、100m以下では1m単位を切り捨て、100m以上では1m単位を切り捨てして10m引いて1桁か、2桁にしています。(1mの単位が0の場合、最後に1割引とするか、ずれても10%のため無視しています。)

 つまり、86mで3m/sの場合、0.8×3=2.4milとします。Strelockでは、2.30milです。

 136mで3m/sの場合、1m単位を切り捨てて10m引いて120mとして、1.2×3=3.6milとします。Strelokでは3.67milです。

 ほぼ合っている感じで、まずはこれで十分かと考えています。

 注意すべき点はターゲットの正確な距離よりも、風の感度が大きいことです。たとえば、3m/sで計算したけど実際は2m/sしかないという場合、30%修正量が変わってくるので結構な影響があります。計算に使用した風速に対して、それより少し大きいのか少ないのかは気にしながら射撃した方がいいように思います。

 今シーズンは、この計算を使いながら、横風修正を検証していくことにしたいと思っています。

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